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富裕層のための不動産投資
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富裕層のための不動産投資

6.富裕層の融資はフルローンで!

不動産投資は「資金繰りとの戦い」といわれています。売却しない限り大きな収益は生まれないにもかかわらず、日々ローンの返済やメンテナンス、税金等で多くの支払いが発生しています。

ローンをいかに好条件、低金利で引き出すことができるかは、不動産投資を成功させるために非常に重要な要素です。

金融機関とどのように付き合い、ローンを引き出していくのがよいかを説明します。

6-1.物件探しよりも金融機関開拓が効率的

不動産投資において欠かせないのが、「融資戦略」どのように融資を受けるかです。
好条件の融資を受けられないと、キャッシュフローを確保することができません。

どんなに買いたいと思う物件を見つけたとしても、金融機関が融資してくれなければ、買うことはできません。
「この物件を買います」と言ったあとに「実は銀行から融資が下りなくて」と断るようなことをしては、業者も「この人は本当は買えない人だから、いい物件を紹介するのはやめよう」と考えるようになってしまいます。

そして融資を受けるのは、そう簡単なことではありません。「自分は富裕層の定義に当てはまる資産があるから、どこの銀行からもすぐに好条件で貸してもらえるだろう」くらいに考えていて、初めての融資を引き出すのに苦労した不動産投資家がいます。
銀行といっても、その種類はたくさんあり、銀行ごとに融資の条件は異なります。
さらに、同じ銀行でも支店や支店長の方針により条件が大きく違うのは普通にあることです。
高属性だから誰でも融資を簡単に受けられるわけではありません。

自分と相性のよい、また自分が買いたい物件と相性のよい金融機関を見つけ、「自分はどのくらい融資を受けられるのか」を把握してから、受けられる融資の範囲内で優良な物件を購入していく、それが効率的な進め方です。

6-2.高属性を活かして好条件融資を引き出す

富裕層の融資は、誰にでも簡単に融資をするような、サラリーマン大家向け金融機関ではなく、高属性の人に対してもしっかり審査を行い、合わない融資は断るような方針のしっかりした金融機関に行ってもらうべきです。

また、融資はフルローンで行うことが望ましいです。「フルローン」とは、不動産投資に必要な物件の購入金額を自己資金なしで、すべて金融機関からの融資で調達できるローンのことです。
すなわち「頭金0円」の物件を購入する場合で、不動産価格の全額について金融機関の融資が実行された場合となります。
フルローン、すなわちすべてを借りるわけですから、元金が大きくなり、利息も増えてしまうこと、自己資金を入れた場合に比べてキャッシュフローが少なくなることがデメリットと考えられますが、低金利の現代においては、フルローンでも自己資金を入れても、物件購入後に得られる利益の総額はほとんど変わりません。玉川陽介氏がシミュレーションしています。

自己投資金比率ごとの純資産増加額累計およびキャッシュフローのシミュレーション

玉川陽介『不動産投資「収益計算」のすべて』(技術評論社)の内容をもとに、編集部が作成


この数字を見ると、初期投資額の大小にかかわらず、たとえば5年後に売却するのであれば、売却まで考慮した投資全体の利益額はほとんど変わりません。
もちろん保有期間中のキャッシュフローは自己資金を多く入れているほうが出ます。逆に言えば、キャッシュフローは自己資金額に比例して潤沢になると言えます。
それよりも大切なのは利益です。純資産増加額累計で見ると、自己資金を3000万円入れてもフルローンでも、5年目の段階で差はわずか100万円弱、10年でも約300万円です。
低金利時代の不動産投資では、自己資金額と物件購入後に得られる利益の総額は比例しません。

10年後の300万円を得るために今3000万円を出してしまうよりも、そのお金を万一に備えるものにしたり、別の投資に回したりしたほうが、よほど有効活用できるのではないでしょうか。

6-3.「借りられる=信用力」「借入額=リスクを減らす」

「キャッシュフローを大きくできるので借入には自己資金をある程度入れたほうがいい」といった声もありますが、先述のようにフルローンでもそう変わらないのだから、自己資金はできるだけ使わないに越したことはありません。
物件購入に自己資金をできるだけ使わずに済ませることは、価格下落などのリスクを吸収するために、本来は銀行に押さえられてしまう資金を手元に残しておくことと考えましょう。

「頭金が少なくてもアパート経営はできる」というCMが流れていたりと、不動産投資=頭金のイメージを持つ方は多いですが、もっともよい不動産投資は頭金を一切必要としないことです。

フルローンを引き出せるかは、物件選定の根拠にもなりえます。高属性であることはもちろんですが、銀行が「資金はうちが全額用意します」と言うくらいの優良な物件を購入することを目指すべき、ということです。

6-4.事業で付き合っている銀行をフル活用する

高額物件の購入資金をフルローンで融資してもらうためには、メガバンクの使用が欠かせません。
「たくさんのお金を貸しても大丈夫」「自己資金を投入してもらわなくてもいい」「金利は低くて構わない。むしろよい条件を提示して、たくさん借りてほしい」
銀行にそう思ってもらう必要があります。

属性について説明するうえでもっとも効果的なのが、「過去の取引実績」です。これは不動産投資に限らず、そのメガバンクとの間に取引があれば、銀行はその点を評価します。

ものすごく簡単な例で説明しますと「そちらの銀行に現在1億円預金している者ですが、1億円貸してもらいたいのですが」と言った場合、銀行は前向きに検討してくれます。すでに1億円の取引実績があるからです。

経営している会社の事業で付き合いのある銀行から融資を受け、スケジュール通りに返済を続けてきた実績があれば、メガバンクにしてみれば優良顧客になります。

そしてできれば複数のメガバンクと付き合います。銀行は横並びの世界でA銀行と取引実績があれば、同規模のB銀行も取引したいと考えるので、1つのメガバンクと取引ができたならば、その実績を使ってほかのメガバンクと付き合っておくのです。
メガバンクとの付き合いがあれば、その下の地方銀行との取引は簡単です。

6-5.不動産投資に積極的な銀行に注意

メガバンクは問題ありませんが、その下のランクの銀行になると、付き合いについて、気をつけるべきところも出てきます。
日本銀行の「金融システムレポート」によると、地銀と信用金庫の半数以上が、融資する物件周辺の家賃相場と入居率を調べていないことが判明しました。大した調査もせずに融資を行っている金融機関がたくさんある、その事実は知っておかなければなりません。

特に、不動産投資に積極的な融資を行っているのが、スルガ銀行、静岡銀行、オリックス銀行です。週刊ダイヤモンドによると、「不動産投資をかじったことがある者ならだれでも知っている」スルガ銀行の特徴はスピード感ある融資姿勢と、貸出金利の高さです。
地方の収益物件の金利は4.5%、都心部でも4%ほどで、メガバンクが1%程度であるのに比べると4倍以上となります。
ではさぞかし収益性の高い物件に融資しているのかというと、決してそういうわけではなく、「金利の返済で苦しむ事例が散見される」(引用前掲誌)とされています。
それに比べると、オリックス銀行の金利は2%程度、静岡銀行の金は3.4%程度とされています。

初心者の不動産投資家に簡単に高金利で貸すような、融資基準の緩いところとのみ取引をしていると、ほかの銀行に話をしに行っても「あそこの銀行としか付き合えない低属性の人」という烙印を押され逆効果です。

融資において大切なのは、銀行にとって「貸したい相手」になることです。
銀行も商売であり、人や会社にお金を貸し、利子をつけて返してもらうことで売り上げています。
大きな売上、確実な売上をもたらしてくれる相手と取引したいと考えています。
また、そのような優良顧客はほかの銀行も放っておきません。よそに取られるならばと、低金利、長期の返済期間などの好条件を提示してくれることが期待できます。
1棟目が順調に経営できれば「そろそろ、2棟目はどうですか?」と銀行のほうから話をしてきてくれることもあります。
銀行にしても、優良顧客とは取引を多くしたいのです。

銀行に対しては、常に「貸してください」と言うのではなく「借りてください」と言われる関係を作れること、これが不動産投資成功の必須条件です。

6-6.金融機関との付き合い方にもコツがある

銀行は誰でも貸してくれるわけではありません。銀行にしてみれば、高属性の人には貸したいところですが、何者かわからない人に対しては二の足を踏みます。「よくわからないが可能性に賭ける」というような選択を、銀行はしてくれません。銀行の考えは「よくわからないので断ろう」です。
高属性なのに、よくわからないからと断られてしまうのは非常にもったいないことです。

一度融資を断られた記録があると、その後新たに融資の相談に行っても「かつて断った人だから、今回もあまりよくないだろう」と先入観を持たれ、断られる可能性もありますから、なおのこと最初が大切です。

銀行へのコンタクトは、紹介が望ましいです。いきなり銀行の窓口に行っても担当者にしてみれば急な対応はできないほか、担当の都合も考えず飛び込んでくる時点で「信用ならない人」の烙印を押されます。
事業の顧問税理士などを通じて銀行の担当者につないでもらい、アポイントを取り、訪問するのが望ましい形です。
銀行を訪問する際はスーツにネクタイ、清潔感を出し、信頼に足る人物であるというアピールも大切です。身だしなみは非常によく見られています。

訪問の際は、以下のものが必須です。

1.確定申告もしくは決算書3期分(収入や事業について説明できる資料)
2.免許書、保険証のコピー(何者かを証明できる資料)
3.経歴や家族のデータ(何者かを証明できる補足資料)
4.購入を検討している物件があるならば、物件概要書。物件の収益性、市場性なども説明できるようにしておく

これらの情報をもとに金融機関の担当者と話をし、融資の条件や物件のエリア、金利とどのくらいの額を借り入れられるかを確認します。

6-7.「貸してくれすぎる問題」に注意

なお、高属性な人が気をつけるべきは、「貸してくれすぎる」ことです。
上記のようにしっかり書類を用意し、高属性であるとして銀行から信用された結果、「とりわけよくない物件にも融資が下りる」ことがよくあります。
銀行が融資する=よい物件のお墨付きと言えますが、銀行の担当者が「高属性だからうまくいくかどうかわからないが貸しちゃおう」と考えるケースもあるのです。
物件の収益性まで銀行は責任を持ってくれません。損が生まれたら、赤字になったら責任はすべて投資家自身が負うものです。
銀行がOKしたからといってすぐにGOとは考えず、本当に進めてよいかを自分自身でしっかり判断するようにしましょう。

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