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富裕層のための株式投資

5.成長株投資(オニール)

あまり知られていない会社の株を買い、その後その会社は急成長して株価もうなぎ昇り……。

株式投資をする人ならば、誰もが夢見るところではないでしょうか。

そんな成長株を見つける方法に、不変の法則があるとしたら……

5-1.株の中ではハイリスク・ハイリターン

成長株投資とは、文字通り成長の見込める株に投資するものです。

その会社が予想どおり大きく成長すれば株価が数十倍になることもありますが、期待どおりに成長しない可能性もあります。また、成長が速すぎて会社の組織の整備が追いつかずに破たんしてしまうケースもあり、株式投資の中ではハイリスク・ハイリターンといえます。

 

成長株投資といえば、大家と言えるのがオニールです。彼の確立した理論は、比較的小さな会社から成長が速そうな株を探し出し、短期間のうちに利益をあげていくもので、個人投資家向けの銘柄選択手法です。

また、オニールの手法はバフェットのバリュー投資と異なり、「このケースはアメリカの市場でしか使えない」といったものがなく、どこの国のどんな株式市場に対しても、どんな時期でも使える方法です。

 

オニールの言っていることは非常に簡単です。「歴史を学び、それに従え」「チャートを徹底的に分析しろ」「例外は万に1つも存在しない」

彼曰く、時代は変わってもチャートのパターンは50年前、100年前から変わらないので、とにかくチャートと向き合い、分析することがカギとなります。

オニールの言うことは王道の王道とも言える方法で、ものすごく簡単に言えば「裏道も抜け穴も存在しない。ちゃんとやれば儲けを手にできる可能性は高くなる。失敗するのはどこかでちゃんとやっていないからだ」

 

5-2.オニールの「成長株で勝つために覚えるべきルール」

オニールの言っている、覚えるべきルールと指針は以下です。アメリカの市場を例に出し、アメリカの指標や市場で使われる言葉が出てきますが、日本でもどの国でも、相場に当てはめればそのまま使うことができます。アメリカの経済紙や指標はそのまま「日本経済新聞」「四季報」のように置き換えることが可能です。

 

1.安い株を買うな。15~300ドルで取引されているナスダック銘柄や20~300ドルで取引されているニューヨーク証券取引所の銘柄を中心に買うことだ。大化け銘柄のほとんど が30ドル以上のところから現れる。10ドル以下のがらくたの山は避けること

2.過去3年間、年間のEPS(1株当たり収益)が毎年最低25%上昇していて、翌年のEPS の 見通しが25%以上増加しているような成長銘柄を買うこと

また、成長銘柄の多くは20%以上かEPSの伸び率 以上の年間キャッシュフローがある

3.直近2~3四半期のEPSが大幅に上昇していることを確認する。最低でも25~30%の 上昇が必要。強気相場では40~500%上昇しているものを探すこと。EPSは高いほど良い

4.直近3四半期の売上増加率が毎期上昇しているか、直近の売り上げが最低25%上昇し ていることを確認する

5.ROE(株主資本利益率)が17%以上の銘柄を買うこと。一流銘柄のROEは25~50% のはずだ

6.最近の四半期の税引き後利益が上向きで、その銘柄が記録した最高水準に近いこと

7.検討しているほとんどの銘柄 が『インベスターズ・ビジネス・デイリー(IBD)』紙で毎日更新されている「ニュー・プライス・ハイ(高値更新銘柄)」の業界区分で上位6位前後に入っているか、「IBD197インダストリー・サブグループ・ランキング(川下業種197種ランキング)」の上位10% に入っているべきである

8.配当金やPER(株価収益率)を基準に株を買ってはならない。EPSや売上増加率、ROE、 利益、製品の優位性といった観点から、その分野で1位の企業だから買うようにする

9.「IBDスマートセレクト評価」の欄で、株価のレラティブストレングス(相対株価評価)指数が85以上 の銘柄を買う

10.株式の規模は問わないが、1日の平均出来高が数十万株以上あるものを中心に選ぶこと が望ましい

11.チャートを読み適切なベースと正確な買いポイントを見極められるようになること。日足と週足のチャートを使って、銘柄選択とタイミングを改善させること。長期の月足チャートも参考になる。通常の出来高よりも50%以上出来高が増えた日に、適切なベースから 初めて ブレイクアウトしたところを買う

12.上昇したら注意深く増し玉をし、ナンピン(株を買った後に株価が下落した場合に、その株を買い増して、1株あたりの平均取得可価格を下げること)をしてはならない。そして買い値から7~8%下がったら必ず損切りをする。例外は絶対にあってはならない。

13.売りのルールを書き出して、いつ売って利益を確定するかを決める

14.直近四半期に優秀な成績を出している投資信託1~2種が購入した銘柄を条件とする。さらに、過去数四半期の間に機関投資家による保有が増えていることが望ましい

15.すばらしく優れた新製品やサービスを持っていて、その売上が好調な企業を選ぶこと。また、その製品に大きなマーケットがあり、繰り返し販売が可能であること

16.マーケット全体が上昇トレンドで小型株か大型株が好調な時期であること。株価指数の解釈方法がわからない場合は、毎日株価をチェックし、市場から答えを見つけられるようにする

17.オプション、外国株、債券、優先株、商品先物には手を出さない。投資の「よろずや」になろうとしたり、多様化しすぎたり、資産分配をしすぎることは利益にならない。オプションは完全に避けるか、ポートフォリオの5~10%以内にする

18.企業の経営陣によって保有されている銘柄であること

19.低迷しがちな「古いアメリカ」を象徴する企業ばかりではなく、起業家精神にあふれた「新しいアメリカ」を象徴する、新規株式公開から8~10年以内の企業を中心に銘柄選択をする

20.慢心や自尊心は捨てる。市場はあなたの考えや希望など気にしてくれない。たとえどんなに自分が賢いと思っていても、マーケットのほうが常に賢い。IQが高かろうと修士号を持っていようと、マーケットで成功する保証はまったくない。慢心は大損失を招きかねない。マーケットとけんかをしてはならない。あなたが正しくてマーケットが間違っていることを証明しようなどとは決して考えてはならない

21.IBDの「インベスターズ・コーナー(投資家広場)」と「ザ・ビッグ・ピクチャー(マーケットの全体像)」の欄を毎日読むこと。そしてマーケット全体の天井と底を見極めるすべを身につけよう。現在保有している銘柄や、購入を検討している企業に関する記事を読み、その企業の背景を学ぶ

22.5~10%以上自社株買いをしたと最近発表した企業に注目すること。その企業に新しい幹部が就任したかどうか、そして彼らの経歴などを調べる

23.株価の底や下落中に買ってはならない。ナンピン買いもしてはならない。40ドルで買った銘柄が35ドルや30ドルになったときに増し玉をしてはならない

(『オニールの成長株発掘法』パンローリングを一部編集>

 

5-3.大化け銘柄を買い逃す主な理由

オニールは同様に、なぜ大きく成長する株を人は買い逃すかについても語っています。オニールは主観を排除すること、市場に勝てるなどと思ってはいけないこと、大きく成長する見込みのある株ならば、その気配くらいはすでにあるもので、誰よりも安く買おうなど思ってはいけないと述べています。

1.疑念、恐れ、知識の欠如。ほとんどの大化け銘柄は、比較的新しい企業であり、8~10年ほど前に株式公開をしたばかりというところが多い。毎年市場に参入している、知られざる企業が革新的な製品やサービスや新しい技術の大部分を生み出している。それらの新しい企業の基本的な株価、出来高、売上収益率のトレンドなどは簡単に調べることができる。

2.PERにとらわれすぎている。社会的通念とは裏腹に、最高の銘柄が低いPERで売られていることはほとんどない。一流のアスリートは高額の年俸を得ているように、優秀な企業はより優秀な、高いPERで取引される。「低いPER」を選択基準にすると、最高の銘柄のほとんどを買い逃すことになる

3.真のリーダーは、新高値かその近くから大きな動きを開始するもので、安値や高値からかなり下がったところからではない、ということを理解していない。数か月前よりも安くなっているからという理由で、割安に思える銘柄を買うことを好む投資家は、株価が下落しているところで買ってしまう。掘り出し物を手に入れたつもりかもしれないが、本当は、適切なベースやもみ合いからブレイクアウトして新高値をつけているような上昇中の銘柄を買うべきなのだ

4.ちょっとした調整でふるい落とされたり、利食いを急ぎすぎたり、必要があれば株価があがった銘柄をふたたび買うことが精神的にできない、また売るのが遅すぎる。損切りを徹底的に8%で実行しないせいで、小さな損で済んでいたものを破壊的な損失にまで膨らませてしまう

 

5-4.大切な数値「ROE」企業が資本をどれだけ効率よく運用できたかの指標

再三出てきている「ROE 」について少し解説します。ROEとは「自己資本利益率」のことで、多くの企業が、ROEが最低でも8%を目標に設定しているとされ、一般的にROE10%以上が効率のよい経営をしている目安で、オニールは「ROEが17%以上の銘柄を買え」と言っています。

 

ROEは、以下の算式から導き出されます。

 

ROE=純利益÷純資産(自己資本)

または

ROE=EPS(1株あたり利益)÷BPS(1株あたり純資産)

 

ROEは「より小さな資本(元手)を使ってより大きな利益を計上する」ことで高まります。これはすなわち、企業がどれだけ効率的に稼いだかの指標となるのです。その目安が現在は8%となっています。

 

なお、ROEの計算に株価は一切関係ありません。株価が上下してもROEそのものには影響がないのです。

 

オニールの考え方は「ROEが17%以上の株は有望なので、すでに高くなっているとしてもより成長が望める。ROEがよい銘柄は習熟した投資家が買うので、株価もそれに伴い上がる」です。

 

5-5.ROEはどうすれば高まるのか?

方法は2つあります。1つは「純利益を増加させる方法」です。

ROE=純利益÷純資産なので、純利益が多くなることは欠かせません。ROEを毎年維持するためには、現状のROEと同じ割合の増益を維持する必要があります。

 

【(計算式はいる)】

 

ROE20%の維持には毎年20%の増益が必要です。そうなると4年で純利益が2倍になるペースですから、かなり難しいでしょう。

 

ROEを高める方法はもう1つあります。純資産を減らす(増やさない)方法です。これには配当を増やす方法と、自社株買いの実施の2つの方法があります。

配当を行えば純資産が増えていかないため、純利益が一定でもROEが維持されています。

 

実際にはこれらの2つの要素が組み合わさることでROEが決まります。なお、この2つのどちらが簡単に行えるかというと後者です。日本の会社の多くは配当を少なめにし内部留保を増やす傾向にあるため、留保を配当するだけで簡単にROEを上げられることはよくあるのです。

 

 

 

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