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配当狙い投資は「ローリスク・ローリターン」を地で行くような株式投資の方法です。
よほどおかしな株を買わなければ、そう失敗することはありません。
ただし、リターンもそう大きくはならないので、株式投資の中ではもっとも地に足をつけた投資方法と言えるでしょう。
なお、その中でも多少テクニックを駆使したり、タイミングを見計らうことでリターンを大きくすることも可能です。
「バリュー投資は日本で成り立つのか?」に疑問があると述べました。
最後に、日本だからこそと言える株式投資の方法をお伝えします。
株主の権利、それが配当です。株を持っているというだけで、株主には所有する株の数に応じて支払いがされます。
多くの株を持っていれば、受け取れる配当金の額は多くなります。
たとえばコカ・コーラボトラーズジャパンの1株配当は44円(予定)です。購入できる株の裁定数は100株で、41万9000円から購入が可能です(2017年11月20日現在)。100株所有すると配当は4400円ですが、1000株ですと4万4000円、1万株ならば44万円となります。
持っているだけでこれだけのお金を受け取れるわけですから、大きな資金を元手に行ってみる価値のある方法です。
売買を行う株式投資よりもリターンは少ないかもしれませんが、損をする可能性のあるほかの株式投資よりもリスクは圧倒的に少ない、ローリスク・ローリターンな株式投資です。
配当狙い投資において大切なのは、「持続可能か?」を考えることです。株を購入した企業の業績が悪化し、配当が支払われなくなったならばリターンは得られません。長年にわたり配当を支払い続けてくれそうな銘柄を選ぶこと、それが大切です。
また、長年にわたり株を持ち続けるためには、株を買うお金は一切手をつけなくて大丈夫なものにしましょう。大金をはたいて株を大量に購入するも、お金が必要になり配当を得られる前に、購入金額よりも安い価格で手放しては損ばかりです。
確実性の高い会社の株を買う以外に、高配当な株を狙うのも手です。配当を得られるような有名企業は、株価に対する配当金の割合(配当利回り)がそこまで高くないことがほとんどで、だいたい1%以下から2%台のことが多いです。
高配当株と言われるようなものは、配当利回りが3%を超えていたり、ものによっては5%を超えているものもあります。
先ほどのコカ・コーラは配当利回りが1.17%ですから、37万7000円を投資しても1株配当は44円ですから、株価に対して配当の割合は高くありません。
たとえば三井住友フィナンシャルグループの配当利回りは3.88%で、100株の購入代金が41万2000円で、1株あたりの配当は160円、100株で1万6000円となります。
10年保有し、受け取る配当金が変わらないと仮定した場合、10万6000円を得られます。保有しているだけで1.2倍になる計算です(配当金、売却益には税金がかかります)。
保有が1000株ならば毎年10万6000円、10年持てば106万円です。
配当利回りは「持ち株数に応じていくらの配当を受けられるのか」の参考指標ですが、ここで配当利回りだけでなく「優待利回り」を見る考え方もあります。
株を持つ理由を「株主優待が楽しみだから」という人も多いでしょう。株主になると、株を買ってもらった企業が自社の商品をくれたり、飲食店などであれば食事券をくれたり、鉄道であれば乗車券や優待券などをくれたりするものです。
株主優待でもらえるものが、現金にすればいくら相当かを計算し、それも配当と考えるのが「優待利回り」です。
株主優待があることのメリットは、①品物が送られてくることで「投資の成果」がわかりやすい ②その企業に対して愛着がわく ③株の長期保有が苦でなくなる
といったことが挙げられます。
たとえばアサヒグループホールディングスは、100株以上で自社オリジナル製品やグループ会社製品などから「1000円相当の優待品」がもらえます。同社の1株あたり配当は69円なので、100株保有で受けられる配当は6900円ですが、株主優待1000円相当を配当に含むと計算すると、配当金は7900円となります。
「株主優待だけで暮らす」という人がいます。多くの株主優待を、種類も分けて受け取れるようにいろいろな業種の株を持っておけば、生活コストの削減に大いに役立てることも可能と言えるでしょう。
株主優待にはクオカードのように商品券をくれるところもあります。それはもう現金とだいぶ近いと言えるでしょう。
株主優待を実施する企業の割合は、1992年では9.7%ほどでしたが、2002年度には20%を超え、2014年度には31.9%まで増えました。
優待があるからこそその会社の株を買う、という人も多く、企業にとっても株主を増やすための重要な手段になっています。
なお、株主優待に関して気をつけるべきは、優待を出す企業が業績に応じて株主優待を改悪したり、そもそも廃止したりすることもあることです。
また、株主優待や配当を受け取るためには、その銘柄の「権利確定日」に株を保有している必要があります。360日株を持っていても、権利確定日に持っていなければ株主とはみなされません。
権利確定日は当日では間に合わないことがほとんどです。権利確定日の数日前には株を保有していることが望ましいでしょう。
さらに、権利確定日の前後は買いが集中し、株価が上昇することもよくあります。株主優待狙いで権利確定日に合わせたところ割高で購入することになり、株主優待を差し引いても損をすることもありえるので、注意が必要です。
また、あえて株主優待も配当も捨てて、持っている株を権利確定日に合わせた上昇のタイミングで売り抜けて利益確定する手もあります。
上場企業には33の業種があります。その中で、高配当で収益が安定している傾向のある業種を5社、『10万円から始める高配当株投資術』(あさ出版)で取り上げられている業種を紹介します。
1.学習塾
市場は少子化で縮小しているように思えますが、教育には多くのお金をかける親が多く、子供の数が少ない分1人あたりにかける額は増えている傾向にあります。
最近は小学校入学前の未就学児向けのものが増えるほか、少人数性の学習塾など、人数は減ってもそれを強みに考えるような塾が増え、安定した収益と高い配当利回りを実現しています。
2.依存症ビジネス
使用者を依存させ、長期間にわたり支払いを続けさせるビジネスは、非常に収益が安定しPERが低く配当利回りが高い傾向にあります。
スマートフォンやSNS、ゲームなどの定額制、課金制のビジネスのほか、パチンコや競馬などギャンブル、酒やたばこなどが該当します。
特にギャンブルの会社は社会的にあまりよく思われなかったり、株を保有することに抵抗のある人も多く、結果として割安な株も多々存在しています。
3.葬儀会社
依存症ビジネスのようによく思われないことはなくても、人があまり積極的に触れたいと思わない分野ですが、その分割安な株も多い業種です。
かつては「葬儀の打ち合わせに行った家の間取りを見て提示金額を決める」などという商売がまかり通っていた分野でしたが、昨今は生前見積もり、明朗会計などが定着してきています。
業界は健全化しているのに加え、人間は死亡率100%であり、高齢化社会に伴い死亡数は増加し、今後も業種としては成長が予想される分野です。
4.ストックビジネス、継続課金ビジネス
顧客と契約を結ぶ、会員組織化するなどするストックビジネス、継続課金ビジネスは収益が非常に安定することから、その後の成長が望める分野です。
インフラ提供、賃貸契約、電話などの通信、リース、スポーツクラブ、介護、フランチャイズなど、様々な業界にストックビジネス、課金ビジネスは存在します。
ストックビジネスの安定性には多くの投資家が目をつけていることから、割安な株は少なく、目をつけられていないストックビジネスをいかに見つけられるかが勝負です。
先ほどの書籍で取り上げられていたのは、レンタルサーバーの運営会社やインターネット回線接続サービス会社です。
「契約は2年間、それ以外の期間での契約解除は違約金が発生する。引っ越しの場合は引っ越し先で使用すれば違約金は発生しない」という形になっているところが多いため、長い間使用し続ける家がほとんどと言えます。そしてあまり支払いをしている実感もなく、毎月支払い続けているという、サービスを提供する側にしてみれば非常にありがたい形です。
1回あたりの金額は決して大きくありませんが、だからこそ継続的に収益をあげることができるとも言え、配当利回りも高くなっています。
5.小売業(飲食店)
「薬と食べ物の営業はいいよな。景気に関係なく必ず売れるんだから」
不景気の時には、宝飾品の営業マンなどがそんな言葉を食品や薬品の営業マンによく言っているそうです。
人が生きていくうえで欠かせない衣食住。家と着るはかけるお金を減らしても、食べるものだけはそう減らすことはできません。
また、フランチャイズは大本に大変強みがあります。フランチャイズでノウハウを提供し、それぞれの店が成功することをサポート。その結果上がる売上を一定額受け取る。
フランチャイズ展開をしている会社は、安定して収益性の高いビジネスをしていることになりますので、配当利回りも高いケースが多いのです。
様々な株式投資の方法を紹介してきました。
株式投資にもいろいろな種類があり、数カ月、数年単位で株を保有するものから、数日、短ければ数分だけ保持する形もあります。
持っていることでリターンを得るのか、売ることで得るのか、それによっても戦略や取るべき手法も変わってきます。
どのくらい株式投資でリターンを得たいかや、ご自分の性格、どのくらい時間を割けるかに応じて選ぶとよいでしょう。
たっぷりの時間を割ける、素早い売買が得意な方はデイトレードやスキャルピングなどの短期売買が向いているかもしれません。
時間があまりとれない、株価が下がると不安になりすぐ売りたくなってしまうという方は、チャートを見ずに配当のみ受け取るような形が良いかもしれません。
株式投資に決まった形はありません。ご自分のスタイルを見つけてください。
『最強のファンダメンタル株式投資法』v-com2著 ダイヤモンド社
『マンガでわかる最強の株入門』安恒理著 吉村佳漫画 新星出版社
『オニールの成長株発掘法』ウィリアム・J・オニール著 スペンサー倫亜訳 パンローリング
『グリーンブラット投資法』ジョエル・グリーンブラット著 奥脇省三訳 パンローリング
『資産運用のカラクリ2016 投資と税金編』 安間伸著 東洋経済新報社
やさしいIPO株のはじめ方
俺たち株の初心者!