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富裕層のための相続税節税
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富裕層のための相続税節税術

5.控除を殖やして相続税を減らす方法

相続税を減らす基本の方法その2、控除についてしっかり説明します。
「税金は高くなり、取られていくばかり」と思われるかもしれませんが、様々な優遇が設けられている部分がたくさんあります。
うまくそこに当てはまるようにしていくと、ただ現金で、不動産で持っているよりもはるかに相続税を減らすことも可能になります。

5-1.「貯めない」「横にずらす」「下に飛ばす」で相続税を減らせ!

相続税の課税対象となる財産の評価を下げる方法を説いてきました。
合わせてしっかり行いたいのが「控除」課税対象となる金額から一定額を差し引くことです。
そもそも課税の対象にならない枠というものがいろいろ認められており、できるだけ適用されるよう調整することが大切です。
その大前提が「政策を決めている人の意に沿うと、優遇を受けやすくなる」ということです。
政府は「お金を流動させたい」と考えており、それをしてくれる人に対しては優遇、それをせず貯め込む人には厳しく接します。
相続税は、貯め込みに対し厳しい対応の典型です。基礎控除額の引き下げ、最高税率の引き上げなどがなされました。

貯め込みを嫌う政府が喜ぶのは「横にずらす」「下に飛ばす」です。
具体的には「贈与」です。
婚姻してから20年が経過している夫婦であれば、配偶者に2000万円の贈与を非課税で行うことができます。

また、税制改正により、直系卑属(子・孫・ひ孫など)への贈与税率が一部を除き引き下げられました(20歳以上に限る)。

ほかにも、相続時精算課税(一定の直系親族間の贈与に認められた特例)についても見直され、まず贈与者の年齢制限が引き下げられました。
今までは65歳以上の親に限られていたのが、60歳以上の親または祖父母となりました。
受贈者(贈与を受けることのできる人)も「20歳以上の相続人になるであろう子」から、「20歳以上の相続人になるであろう子と孫」に拡大されたのです。

「財産を貯め込むのではなく、計画的に下の世代に回していってください」という意図が窺えます。

同じように下に飛ばす方法として「親や祖父母から住宅購入等の資金を贈与された場合、29年9月までは最大で1200万円(29年10月以降は1000万円)まで非課税、教育資金の贈与は1500万円まで非課税、子育て資金は1000万円(うち結婚費用は300万円)まで非課税」となっています。
不妊治療等にかかる費用も、贈与を受けた場合は非課税になります。
政府の意図に沿う控除枠には大きな優遇があります。積極的に活用したいものです。

5-2.1歳でも年下であれば養子は成立する。身内を養子にして控除だけ増やせ

相続人1人あたり600万円の控除が認められているので、相続人が多ければ多いほど、控除される額が多くなります。
子どもが5人いればそれだけで3000万円の控除ですから、子どもの数が多ければ多いほど控除額は多くなります。

また、相続人の数が少ない場合、養子で増やす方法もあります。
1人あたりの相続財産を増やすことで、相続税率を下げることも可能になる場合があるのです。

資産が30億円、相続人は妻、長男、長女のケースがあるとします。財産を相続人3人で分割すると妻は半分まで配偶者控除が可能で、子供は1人あたり約7.5億円となります。6億円を超えるので、相続税率は最高の55%です。

養子をもらってもう1人相続人を増やしたならば、相続人は合計4人、子供1人あたりの相続財産は5億円になり、適用される相続税率は50%になりました。
6億円の55%は3300万円に対し、5億円の50%は2500万円ですから、800万円の節税です。

北野武氏は孫が生まれた際、1歳ほどで自身の養子にしています。相続対策で1人でも相続人を増やすためと考えられます。

なお、実子と養子で法的な差は一切ありません。養子だからといって不利益を被ることはないのです。子どものほかに弟を養子にして法定相続人を増やしつつ、弟にも遺産を受け取る権利を与えるといったことも可能です。
ただし、「では無限に養子縁組をして相続税をゼロにしよう!」と思ってもそれは無理です。
国税庁は法定相続人として認める養子の数を、被相続人に実の子供がいる場合は1人まで、実の子供がいない場合は2人までと定めています。

また、養子をもらうと相続税が多くなってしまうケースもあるので注意が必要です。5人兄弟で両親は他界、子供はいないケースの場合、養子をもらっていると、法定相続人は養子だけになってしまいます。
養子がいなければ法定相続人は兄弟4人になるので、控除枠は4人分でした。養子がいれば養子1人となり、控除枠は1人分です。
その点のみ注意が必要です。

・5-3.生前贈与は「計画的」が最も優遇される

相続税節税の基本中の基本とも言えるのが、生前に相続人に財産を移転すること、生前贈与です。
生前贈与を計画的に行えれば、総資産が数億円レベルであれば相続税ゼロや少額に抑えることは、難しくありません。
大切なのは計画的に行うことです。

生前贈与は、1人に年110万円まで非課税で行うことができます。相続人以外にも贈与することが可能なので、親族などにも贈与し相続財産を減らすことができます。

ただし、「相続前3年以内の贈与は贈与として認められない、相続財産になる」というルールがあります(「3年内贈与加算」といいます)。
そのため、相続発生の3年前には贈与が完了していることが必要です。
なお、贈与には贈る側、受け取る側双方の合意が必要なので、贈与契約書を書面で残すなどするほか、わざと課税される111万円を贈与して贈与税を申告し、記録を残す方法もあります。
111万円万円の贈与税は10%の1000円なので、それで証拠を残せるならば安いものです。

贈与ほど「計画性」が問われます。
しっかり前から準備をし、相続が近づいたときにあわてて対応し、あとになってすべて否認されるようなことがないよう、万全に整えたいものです。

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